レトロな蒸気機関車9号「博物館・明治村」三等客車ハフ11～京都市電・狭軌1形の解説

目次 Contents

1 蒸気機関車9号
2 三等客車ハフ11
3 京都市電・狭軌1形

日本最初の本格的動態保存路線となった「博物館・明治村」にようやく訪問する機会に恵まれたのでちょっこっとレポート。
これまでさんざん名古屋を訪れては、明治村に寄れていなかったので行けてよかったと感じている。

蒸気機関車9号

明治村の蒸気機関車9号は、明治45年(1912年)製造のアメリカ製(ボールドウィン・ロコモティブ・ワークス)。
車軸配置が 0-6-0(C) と言うのも珍しいと言うか古いと言える。
脱線しやすいとわかっているので、昭和のSLなどではあり得ないといったところか？
蒸気機関車9号だが最初は富士身延鉄道1形として1号機から3号機が新調されたうちの1台となる。

その後、大型機に代わると余剰となって鶴見製鉄造船（日本鋼管鶴見製鉄所)に譲渡され、2号機は「9号」機関車として登録された。
のち愛知県の明治村に移管されて、1974年（昭和49年）から動態保存されている。

他にも明治村では「蒸気機関車12号」があるが、これは国鉄160形蒸気機関車と言い、 1872年（明治5年）、日本で最初の鉄道開業に際してイギリスから輸入された蒸気機関車5形式10両中の1形式となり、最後は名古屋鉄道12であった。
訪問時は老朽化による整備のため運休していて撮影できず。
蒸気機関車は静態展示だが他にも西尾鉄道の蒸気機関車1号なども展示されているが、今回は時間がなく断念。

三等客車ハフ11

ハフ11は青梅鉄道(JR青梅線)で「メ4」として使われた後、大正13年に高畠鉄道（山形県）に譲渡され「ハ2」となり、さらに昭和11年雄勝鉄道（秋田県）で「ハフ11」として使用された。
最大長7980mm，最大幅2680mm，最大高3260mm，定員46人，自重6.95t。

時速10km程度の低速走行でも、かなりの振動と走行音が車内に響いた。
まさに、鉄の道の上を箱が進んでいると言う印象。
ホームから乗車する際には2軸と確認できないので、乗車時点ではこの乗り心地はたぶん2軸と言う推測にしかならずあとで確認した。
2軸車なので正直乗り心地も悪いが、日本全国で営業している鉄道に、もはや2軸車はないので大変貴重な乗車体験になるのは間違いない。
ハフの「ハ」は旧3等客車(現在の2等・普通車)と言う意味で「フ」は手ブレーキ・車掌弁を有する客車（緩急車）と言う意味になるらしい。

基本的に客車は3両編成で、ハフ11の前後に、明治45年製造のハフ13、ハフ14が連結される。

片道約10分の走行。
このレトロな蒸気機関車と客車の走行シーンは、数々のドラマや映画などでも度々目にすることができるロケ地にもなっている。

京都市電・狭軌1形

京都市交通局狭軌1形電車は、もともと京都電気鉄道の電車だが、京都市が買収して引き継がれた車両。
<注釈> 日本における電気の鉄道は、この京都電気鉄道がはじめて。

全部で133両製造されたと言うが、明治村の車体は史料がなく製造年は不明となっているが、だいたい明治43年から44年にかけて製造されたと推定されている。
下記の動画でもわかるが、ブレーキは回すタイプの「手ブレーキ」にいまでもなっており感動。

明治村の園内は結構勾配もあるのだが、力強く走行していた。
起終点では、集電ポール回しも見られる。

外国人(西洋人)の鉄道好きなのか？、ひとり乗車されている方もおられた。(日本語の時刻表ちゃんと読めていたのかな？)

100年以上経過しても動いている蒸気機関車や市電は、明治村スタッフさまの日頃のメンテナンスなどによる努力の賜物であろう。
最近の家電品などはもちろん高性能で便利なのだが、ヘンなところが壊れたり、高機能なほど故障が発生しやすいと感じている。
しかし、昔の機械になるほど、いまと違って電子部品もあまり使わず構造もシンプルなため、修理しやすいと言うか？、きちんと整備すれば長く使えると言う事でもあるのだろう。
とにかく、今後も大切に保存されていくことを望まずにいられない。

今回、明治村での滞在は約2時間中、蒸気機関車と京都市電しか乗車していないので、肝心の貴重な建物などには近づくこともできず遠くから眺めるだけになった。
広さは、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの両方分もありとても広大。
全部見学すると1日では周り切れないのが明治村なので今度はゆっくりと訪れたいところだ。

下記は蒸気機関車9号とハフ11の様子を撮影した動画。
よければあわせてご覧頂きたい。