宮ヶ瀬ダム「インクライン」は神奈川県の宮ヶ瀬湖にあるケーブルカーの名称です。
もともと、宮ヶ瀬ダムのダム本体工事の際に、ダムの上から、道路がないダムの下(渓谷)まで、ダンプーカーを上げ下ろしするためのケーブルカーだったものとなります。
そのダンプトラック搭載型インクライン設備の多くの再利用して、乗客輸送用に転向設置されたのが宮ヶ瀬ダム・インクラインです。
宮ヶ瀬ダム周辺振興財団が運行しています。
ダムの上(山頂)から、ダムの下(山麓)まで全長216mを片道4分で結んでいます。
インクラインとは、急斜面鉄道のことを言います。
車両は東京索道製で、定員46名です。
ゴムタイヤ走行となっており、最急路線角度は35度(700パーミル)です。
鉄道事業法準拠のケーブルカーとして日本一の急勾配となっている高尾山の高尾登山電鉄は31度(608‰)を更に上回ります。
ちなみに、箱根登山鉄道の最大は80パーミルですので、すごくゆるく感じます。
もうひとつちなみに、鉄道事業法によらないケーブルカーとして一番急なのは、四国にある祖谷温泉「ホテル祖谷温泉」の宿泊客用のケーブルカー42度(900パーミル)となります。
一度、宿泊してみたいですが、日帰り温泉利用でも乗車できるようです。
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宮ヶ瀬のインクラインは、鉄道事業法に準拠する正式な鉄道ではないため、35度の最急勾配は法律上の鉄道として一番急だとは申せませんが、実際にケーブルで上げ下げしています。
そもそもタイヤ走行のためポイント設置は難しく、2線(複線)ですので、中間での列車交換がない、完全に独立している複線としてのケーブルカーとしてみれば、日本最高の急勾配と言えるでしょう。
もちろん、首都圏では一番の勾配と言え、35度というのはスキージャンプ台の滑走路と同じ角度です。
下記は撮影したインクラインの動画です。
宮ケ瀬インクラインの概要は下記の通りです。
形式:つるべ型キャビン昇降式
駆動方式:電動機駆動ワイヤロープ巻掛式
積載荷重:3,000kg (定員46人)×2基
定格速度:60m/min
速度制御方式:インバータ制御方式
運転方式:運転操作盤による押釦運転方式
完成年月:平成10年11月
傾斜角度:30度~35度
昇降行程:216m
高低差:121m
乗車券は、ラーメン屋さんにあるような「券売機」にて、チケットを購入する方式です。
大人(中学生以上)片道300円(往復500円)
子供(小学生)片道200円(往復300円)
幼児(4歳~)片道100円(往復150円)
JAF会員証で割引きになります。
通常は10分おきですが、混雑時はピストン輸送(6分おき)となります。
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なお、月曜日が定休日です。
すなわち、このインクララインを使用して通勤する人などは皆無でして、完全に観光用の乗り物となっています。
月曜日が祝日の場合には、その翌日がお休みです。
ただし、GW(ゴールデンウィーク)と夏休み期間中は、毎日運転となります。
インクラインに乗車するのが目的の場合、行き方は2とおりありますが、一番オススメの方法で記載しておきます。
まずは、クルマで「県立あいかわ公園」を目指します。
あいかわ公園の有料駐車場に車を止めたら、宮ヶ瀬ダムのダム下まで舗装された遊歩道が伸びていきますので、歩いていきましょう。
駐車場からダム下まで、片道20分くらいです。
ベビーカーでも大丈夫です。
また、有料の「ロードトレイン愛ちゃん号」を利用しても終点で下車すればOKです。
なお、4月から11月の毎週水曜日と、一部の金曜日、一部の日曜日は、ダムにて「観光放流」する場合があります。
観光放流の開始時間に合わせて、インクラインのダム下に行くのも良いです。
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宮ヶ瀬ダムの上と、ダムの下を結んでいるのがこのインクラインになりますが、無料で乗車できる「エレベーター」も観光客に開放されていますので、片道は無料エレベーターと言う利用方法も可能です。
また、ダム上からは、ダムを渡って、下り道の遊歩道で、あいかわ公園に歩いて戻ってくることも可能です。
うまくコースを考えれば、上り坂を歩かなくて済みます。
あいかわ公園の有料駐車場の場所は下記の地図ポイント地点となります。
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