元・紀州鉱山鉄道トロッコ列車(ホテル瀞流荘・鉱山トロッコ電車・坑内電車)~乗り心地の悪い観光鉄道?

瀞流荘トロッコ

鉱山トロッコ電車

紀伊・熊野にある観光用の鉱山トロッコ電車に乗車できる機会に恵まれた。
瀞流荘「トロッコ電車」と呼ばれているのが一般的なようだ。

瀞流荘「トロッコ電車」

鉱山で使われていたトロッコが入鹿温泉「ホテル瀞流荘」と、湯元山荘「湯ノ口温泉」の間を結んでいる。
鉱山の鉄道だったと言う事だが、坑道のトンネル区間と言う事ではなく、坑道から鉱石を地上に出したあとの輸送線路部分を活用しているようだ。
約1kmほど(所要約12分)の道のりだが、95%の区間は「トンネル」になっているので、トンネル・トロッコ列車と言う言葉が適切だと感じた。

元・紀州鉱山鉄道トロッコ列車

銅鉱石などを採掘していた紀州鉱山は1978年閉山。
鉱山トロッコ電車は、閉山後の紀州鉱山鉄道の一部を再活用したものとなり、1989年から冬季も含めて毎日・通年運行されている。
軌間は610mm。(2フィート)

瀞流荘トロッコ

入鹿温泉「ホテル瀞流荘」さんがトロッコも運営なさっておられるようなのだが、トロッコの正式名称がイマイチよくわからない。
ホテルの説明では「トロッコ電車」となっている。
架線がある訳ではないが、現在はバッテリー機関車を使っているようなので電車と言っても問題ないだろう。
観光協会では坑内電車と表現している。


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足尾銅山にも観光用のトロッコがあるが車体は鋼鉄製に対し、瀞流荘トロッコの車体は木製なのでかなり貴重な列車と言えよう。

乗車方法

執筆時点での時刻表は1日6本の往復で、原則として毎日運行。
冬季の寒い時期や平日も運行されているのはありがたい。
ただし、乗客がいない時間は運休にしているようだ。
下記は瀞流荘側の駅。

瀞流荘駅

終点?の湯ノ口温泉には日帰り温泉施設があるのと、戻りの時間まで約1時間あいているため、トロッコ往復と湯ノ口温泉入浴のセットを購入した。
タオルは持参したいところだ。
<注釈> 瀞流荘の温泉と湯ノ口温泉の両方に入浴できる1日フリー切符もある。

キップ?は、ホテル瀞流荘のフロントにて出発時間の15分前まで購入しなくてはならなかった。(夏休みなど多客期は瀞流荘駅で販売かも?)
切符を購入する際に、乗車する時間を予約するような感じになっており、往復乗車の場合には帰りの時間を申し出る必要もある。
なお、出発時間の5分前までにホームに行く必要があるのだが、実際には10分くらい前から客車に乗車することができた。
と言う事で、乗車する席は早いもの勝ちパターンになっている。

全区間複線になっていたが、実際には片側(単線)しか使用していない。
ただし、バッテリーの電気機関車は終点で入り替えて先頭に移動している。
機関車の運転場所は完全に「外」になっているので運転士さんは雨のとき大変そうである。

客車は木造車両で5両ほど繋がっていた。
形式などは特に記載されていない。

元・紀州鉱山鉄道トロッコ列車

実際に乗車してみたが、客車は背丈も低く車内で立つことはできない狭さ。
客車内の定員は5名が限界であろう。

坑内電車

木製の椅子に座布団が敷いてあり、ドアは自分で閉める。

客車に空気バネなどがないので、車輪・台車の振動がダイレクトに伝わるほか、窓ガラスがガタガタとスゴイ音を出すので、とにかくうるさかった。
この乗り心地の悪さは、まさに明治初期の3等車といったところなのだろう。
すなわち太平失礼ながら、現在の日本において「日本一」乗り心地の悪い鉄道かも知れない。
黒部峡谷鉄道もうるさい部類だと思うが、瀞流荘トロッコ電車はトンネル区間が多いだけにもっと音がスゴイ。
遊園地のジェットコースターの方が静かに感じたので、駐車場に止めた自分のクルマに常備している「耳栓」を持参すればよかったと後悔。
しかし、乗り心地が悪い電車・鉄道を探す方が難しいので、これはこれでとても売りポイントなのだと感じた。

車輪も小さいので、分岐(ポイント)では脱線するんじゃないか?と言うスリルも味わえる。(本当に脱線したこともあるらしい)

試しに動画も撮影してみたので、音のスゴサなど実感して頂きたい。
※音量はあえて標準にしているので、うるさかったら音量を下げて頂きたい。

なお、トロッコ以外にも「レールマウンテンバイク」(電動アシスト付き)もある。(出発時間は決まっていて、トロッコとは違う)

下記は湯ノ口温泉駅の様子。

湯ノ口温泉

湯ノ口温泉の駅(終点)から、湯ノ口温泉の施設までは徒歩3分ほどなので近い。
訪問時、レストランなどは閉鎖されていた。
ホテル瀞流荘さんのレストランも休業状態だったので、昼食は道の駅「熊野・板屋九郎兵衛の里」を利用するか、ホテル瀞流荘さんへのアプローチ道路沿いにある大和屋さんしかないと言ったところ。
もし、昼食も計画される場合には要確認でお願いしたい。

今回、金曜日の昼間の状況だが、瀞流荘からトロッコに乗車した際には、他にソロの男性と、ご夫婦がおられた。
その2組さまは湯ノ口温泉には入らなかったようだ。
約1時間後の帰りは、ソロの男性と、5名ご家族の2組さまがおられた。


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複線あって両側に源泉かけ流しの良い温泉もあるため、あと2倍運行本数を増やして「乗り心地を体験してみて?」と宣伝すれば、もっと利用客が増えるのではないか?と思えるのだが余計なお世話か・・・。
ともあれ、何事も体験なのでぜひ瀞流荘トロッコの乗り心地を確認して頂きたいと願うところだ。

交通アクセス

瀞流荘トロッコへの行き方だが、電車の場合、熊野市駅前より熊野市バス「熊野古道瀞流荘線」A1瀞流荘方面行きバスで所要約55分、終点・瀞流荘バス停下車。
駐車場は無料でとても広い。
駐車場の場所は当方のオリジナル地図「名古屋・北陸方面」にてポイントしている。
オリジナル地図「名古屋・北陸」方面
スマホ画面などで表示して「検索窓」から検索して、カーナビ設定することでも使用可能。(徒歩ナビとしても可能)

近くには赤木城もあるのでセットでどうぞ。

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