鉄道模型ジオラマ「草原の作り方」3つの方法をご紹介【便利なジオラマ製作方法】

鉄道模型ジオラマ「草原の作り方」3つの方法をご紹介

草原の作り方

鉄道模型ジオラマにおいて、情景の多くを占めることも、大いにあるであろう「草原」(草はら、草むら)の作り方、表現方法などを、3つの方法にて、ご紹介したみたいと存じます。
私の場合、分割式ジオラマであり、運搬することがあるため、基本的に「壊れにくい」というのが大前提となります。
そのため、地面の表現は、アクリル塗装して、塗装が乾かないうちに、パウダーを撒いて、おしまい、なんてことが多々あります。
木がある情景は、壊れやすいのですが、場所によっては、草はらのような情景もあって良い訳でして、今回「土手」パーツの製作にて、少し対応してみました。

草原の作り方

約2年前に購入しては、そのまま使っていなかった、下記の2種類の出番が、ようやくやってきました。

KATO 24-406 繁茂・深雪ボトル

芝生の特徴としては、背が低い草で、地面から立っていると言うのがあります。
鉄道ジオラマの情景の場合、特にNゲージは、1/150なので、全部の草を、直立させるのは、なかなか、大変なのですが、できれば、本物の芝生に、近い感じにするのがベストです。
下記のように、電機を使い、静電気を発生させて、毛立たせ、広範囲に落とすと言う装置、グラスマスター(静電植毛装置、グラスアプリケーター)もあります。
しかし、基本的には、プラ板などでないと、静電気を起こすための、電極を繋げられません。
そのため、1度、プラバンの上で、芝生を作って、あとから、それを、ジオラマボードに移植するような行程となります。
※ボードに、釘をさして、電極をセットする方法もありますが・・。

【PR】

また、装置が意外と高価であり、そんなに必要性を感じないのも事実です。
よって、最初は、下記の方法をお試し頂くのが、良いのではと存じます。

毛立たせる装置としては、カトーから発売されている「繁茂・深雪ボトル」を使います。

繁茂・深雪ボトル

なんのへんてつもない容器に見えますが、KATO 24-406 繁茂・深雪ボトル は、ボトル・トップ出口の部分に、4つの穴が開いて「振りかける」ような容器となっています。
ふりかけ容器で、穴が4つになっているタイプとご理解願います。

【広告】

なお、ボトルの中に、人工芝生パウダーを、入れるのが、少し、やっかいです。
何しろ、細かい物ですので、入れる際に、ボトルの入口から、はみ出やすいと申しましょうか?
100円ショップで、金属製の「じょうご」を買って、入れると、入りやすいかも知れません。
※プラスチックのじょうごだと、うまく、落ちない可能性があるので、金属製がお勧め。

あともうひとつ、欠かせないのは、下記の草はら糊です。

KATO 24-408 草はら糊

ボンドのように半透明の白い液体ですが、固着すると透明になります。
筆にて、草原にしたい場所に塗ると良いでしょう。

【広告】
【広告】[鉄道模型]カトー 24-408 草はら糊

なお、ボンドと違って、粘度が低いと申しましょうか、ハチミツよりも、サラサラしていて、垂れやすいので、容器の下に、シートを敷いてから使うと良いです。
フタも、慎重に開けないと、垂れます。
そのため、ティッシュなども近くに置いておけると良いです。


スポンサーリンク



作業手順としては、草原の素材を、ボトルに入れます。
私の場合、この時点で、草の素材(繊維素材)をミックス(ブレンド状態)にしています。

ボトルのキャップを閉めて、何回か上下に振って、中で静電気を発生させます。
20回くらい、振っても、良いでしょう。(落とす直前に振ると更に良い)

草はら糊を、筆にて、下地が見える程度に、薄く塗ります。
厚く塗ると、草が立ちにくくなります。

草地帯ほ作る

勢いよく「プッシュ」して、振りかけると説明にはあったと思うのですが、実際には、軽く押す感じです。
高さは8cm~10cm程度から、落とすと、良いみたいです。
風が少しでもあると、飛んでいってしまいますので、できれば、無風の場所が良いです。

草はらを作る

そして、可能であれば「ひっくり返し」て、ボードを軽くたたき、余分な草を払ってください。
受け皿があれば、落ちた草原素材は、また、使えます。
なお、反対にするのは、重力を使って、草を、より、直立させるためでもあります。
そして、乾燥するのを待ちますが、乾燥させる時には、反対ではなく、もとの姿にして、乾燥待ちして良いです。
下記が乾燥後の状態です。

草原を作る

もし、縞模様のように、草の色をある程度、場所によって、ハッキリと、異ならせる場合には、1度、乾燥したあとに、また、草はら糊を、少し塗って、別の色の草を落とすと良いです。

自信がない場合には、一度、練習すると、本番では、うまく行くでしょう。

草原素材

草原用の素材としては、カトーから「日本の草はら」シリーズが発売されています。
下記のようなもので、一般的には「繊維素材」と呼ぶようです。

【PR】

例えば、緑の草原にしたい場合でも、緑の素材ひとつだけですと、単調になってしまいます。
そのため、他の色、できれば2色以上を少し混ぜて、合計3色以上にしておくと、良いのではと存じます。

注意点として「繁茂・深雪ボトル」を作った場合、KATOの説明によると、長さ2.5mmまでの草が有効とあります。
長いと、起立させにくいようですので、購入時には、気を付けて頂ければと存じます。

下記のような人工芝生パウダーも良いでしょう。

【PR】

そんなにたくさんは市販されていませんが、色々と、試して頂ければと存じます。
これらの繊維素材、あまり、固定されたネーミングがないようなので、私は、個人的に「モフモフ」と、呼ばせて頂いております。

茂みの作り方

上記でご紹介した方法は、ある程度、広い範囲を草原にする方法です。
ここからは、部分的、例えば、線路わきの狭い範囲に、草の「茂み」がるあるような情景にする場合として、ご説明申し上げます。

ボンドを、ちょちょっと、少しだけ、茂みにしたい範囲に、塗ります。
水性ボンドを、原液のまま(薄めずに)使ったほうが、盛り上がり感も、出やすいです。
ヘラなどを使って、塗ってもOKです。

茂みの作り方

そのボンドの上には、草原素材を「ピンセット」で、多めに摘まんで、ボンドを塗った場所に、どっさりと降ろします。
山もりでボンドのところに、おろす感じで良いです。

茂みの作り方

山盛りに、盛ったら、ピンセットの先っちょを使って、軽~く、摘まんで、少し「上」に持ちあげます。
そうすると、なんとなく、草が下から、上に生えたような、感じになります。
ただし、全部の細い繊維を立たせるのは難しいため、どうしても、一部は、倒れていると申しましょうか?、しなった状態になりますが、これは仕方ないと存じます。
全部を直立させるのは、困難ですが「しげみ」ですので、一部だけでも、問題はないでしょう。
このように、乾燥する前に、調整したら、ひっくり返して、余計な草原、固着されない草原を、払ってください。
落とした使わない草原は、再使用もできますので、なにか、新聞紙などの上に、落として、戻しても良いです。

茂みの作り方

上記のように、ボンドが見えている部分があった時には、再度、少し、盛っても良いですし、バラストなどを少し落とすと、より、情景感が出るかと存じます。
ボンドは乾燥すると、透明に変化しますので、わかりにくくなります。

鉄道模型しげみの作り方

下記が乾燥後の状態です。
悪くはないですよね?
完全に乾燥すると、草の部分も含めて、結構、カチンコチンになります。

鉄道模型ジオラマ「草原の作り方」3つの方法をご紹介

ただし、この茂み製作も、余計な草原素材を、取り払うのと、重力で立たせる効果を期待するために「ひっくり返して、ボードをたたく」必要性があります。
大きなジオラマなどでは、板を逆さまにするのは、困難かと存じます。
その場合、乾燥したあとに、ハンド掃除機にて、吸い取るか、薄いプラバンに、草をはやしたのをセットするか、下記のようなフィールドグラスが現実的な作業になります。

あと、今回の施行例のように、単色気味になってしまった場合、草の部分を、ほんの少し「塗装」すると、より、現実感が出ます。
アクリル絵の具を、ほんの少し、筆先につけて、ボカシ塗装・汚し塗装(ウエザリング)のようにしても良いです。
私の場合、出来る限り簡単に済ませたいので、そこまでせずに、下記のように、塗装ペンで、少し、塗ることが多いです。

草原の塗り方

下記が、水性ペンで、塗ったあとの様子です。

草原の塗り方

ポスカの茶色系統のペンは、あると、線路わきなどや、屋根のボカシ塗装など、ちょっとだけ、色を足したい場合に、色々と使えます。
メモを取る際に、ボールペンが周りにない時も、重宝します。

フィールド・グラスを使う

KATOから発売されている「フィールド・グラス」も、草を再現するのには、最適です。

【PR】

フィールドグラスの使い方としては、ある程度の束をつかんで、毛先を整え、1cm前後で、切ります。
その切った束を、離さずに持っていて、ボンド原液を、草の根元に付けて、指やピンセットにて、ジオラマに着けます。
※固着剤は、マッドメディウムを、楊枝の先で、つけても良いです。
ボードに、わざわざ、穴を開けなくても、チョンと植え込みの感じで、充分、大丈夫です。
そして、乾燥しないうちに、指の先で、軽く押して、草の先を、少し、広げるような感じにできると、情感が出ます。

フィールド・グラスを使う方法

この広げる工程を行わないと、単なる、デッキブラシの毛のような状態になってしまいます。
もし、広がりすぎてしまった場合には、ピンセットを使って、戻してください。
ボンドか乾燥してしまうと、結構、カチカチになりますので、修正が効かなくなります。
なお、上記の写真では、フィールド・グラスの草の長さが、約2cmでして、鉄道模型の車両の屋根くらいの高さがあります。
このように、長くなった場合には、乾燥したあとに、鼻毛を切るような、小さなハサミで、適当にカットしてください。
カットの方法は、バサッと、1度に切らず、床屋さんで、髪の毛を切ってもらうのと同じような要領で、ハサミの先端を、真上(毛先)から、少し奥へと、差すような感じで、カットできると、長さも微妙にバラバラになります。
1度で切ってしまうと、ほんと、デッキブラシのように、毛先が、そろってしまいます。
下記が、適当に、カットしたあとの写真です。

フィールドグラスのカット

HOサイズですと、このフィールド・グラスは、とても使いやすいのですが、Nゲージサイズですと、草の大きさも、HOの半分くらいなので、どうしても、細かい作業になります。

フィールドグラスの処方において、少し難しい点は、植える前に、毛先を整えるところです。
釣りで、フライ(毛針)を自作する場合には、同様に、毛先を整える必要があるため、毛先を揃える器具として「スタッカー」があります。
釣りが趣味の方も、同じように、苦労されているとお見受け致しますが、恐らく、そのヘアスタッカーを使えば、毛先は、整えやすくなると考えています。
という事で、入手が難しかったのですが、スタッカーを手に入れてみました。
下記が、フィールド・グラスを、スタッカーに差してみた状態です。

ヘアスタッカー

そして、スタッカーを「トントン」と軽く、何回か、底に打ち付けて、重力で、繊維を下げますと、下記のような感じになりました。
上に、はみ出ていた毛が、だいぶ少なくなっていると言う事は、下(底)に届いた可能性が高いので、期待が高まります。

スタッカー

という事で、スタッカーを開放してみますと、下記のとおり、見事に、毛先が整いました。
これにより、ピンセットでも掴みやすくなりますし、カットしやすくもなりますし、植えやすくもなり、無駄にしてしまうロスも減る事でしょう。

ヘアスタッカー

ヘアスタッカー、苦労して手に入れてよかったです。
スタッカーが手元にない場合には、下記のような「クリップ」の「丸くなっている部分」で代用し、毛先を整えても良いです。

【PR】

なお、フィールド・グラスを使った場合でも、やはり、乾燥するまえに、ボードを反対に、ひっくり返して、余分な草を、取り除きたいところです。
また、フィールドグラスは、ほんと、ズボンが、毛だらけになり、掃除も大変なので、ジオラマ教室に行った際でないと、やりたくないと言う部分もあります。


スポンサーリンク



前述したとおり、当方のように、パーツで、分割式ボードに、ポンと置くような情景の部分で、以上のような方法を取るなど、うまく、使い分けて頂けると、良い情景ができるのではと存じます。

本格的な「畑」ジオラマ製作「あぜ道」簡単な作り方【鉄道ジオラマ】
鉄道模型「ノウハウ情報一覧目次」制御機器選びからジオラマ製作まで「まとめ」

報告する
スポンサーリンク
スポンサーリンク

関連記事一覧

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。