目次 Contents
鉄道模型の山を作る際の「岩肌」(岩山)の簡単な作り方です。
ジオラマのボード、固定レイアウトでも、分割式ジオラマでも、山を設置しますと、意外と広い場所が必要となります。
現実的な山の斜面ですが、鉄道の線路が敷かれている付近は、なだらかな斜面が多いです。
もちろん、急峻な箇所が、まったくないとは申しませんが、日本の場合、鉄道が走行する標高くらいの低地ですと、90%以上の斜面は、とても緩やかだと言えます。
しかし、そんな緩やかな斜面を、鉄道模型ジオラマにて再現すると、これがとても、広いスペースが必要となります。
単線のジオラマであれば、可能かも知れませんが、線路を多く配置するようなジオラマですと、山の斜面を、緩やかにするのは、困難な場合があります。
そのため、設計上、山は、急峻な斜面になることが、多々あるかと存じます。
ところが、急峻な斜面は、現実的には、崩れるため、緑や木々で覆われていることは、少ないです。
岩肌が露出していたり、コンクリートで固められていたりするわけです。
そのため、鉄道模型ジオラマにおいても、急峻な斜面の場合には、岩肌にするか?、コンクリートの斜面するか?での製作が必要と考えます。
でも、コンクリートの斜面を、1/150スケールで、再現するのは、これがまた、結構、難工事です。
情景が不規則でも支障がないと言う、簡単な方法は「岩肌」の選択となりますので、この記事では、岩肌を更に簡単に作る方法としてご紹介してみます。
スタイロフォームを使用する
まず、岩山や岩肌を作ると申しましても、その岩肌が生じる「山」を作る作業からスタートになります。
山を造る方法は、色々とございますが、ここでは岩肌にするのが前提のため、造形・加工が行いやすい、スタイロフォーム(高密度発泡スチロール)を使用します。
【PR】
なんと言っても「軽い」ですので、持ち運びも便利ですし、ボードにも重力負担をかけにくい(変形を防ぎやすい)です。
スタイロは、原則として、たたみ1畳での販売で、ホームセンターなどの資材売場で購入できます。
ただ、大きいので、全部、使う予定が無いと言う場合には、半分の大きさで販売している店舗が、5軒に1軒くらいありますので、そのようなホームセンターを探してみると良いです。
また、ジョイフルホンダなど、店舗によっては、30cmサイズなど、もっと、小さいサイズ状態で、別の売場にて、販売されていることもありますが、その場合、割高になってしまいます。
厚さは色々ありますが、特に定めはありませんので、スタイロの厚みも、ご自由に選択願います。
基本的に、高さ5cm~6cmあると、Nゲージ車両のトンネル高となりますので、トンネルを作る場合には、ラクになります。
そのため、3cmのスタイロを2枚重ねると、ちょうど6cmと言う事などを考慮して、その厚みに対応できるスタイロフォームを購入できると良いでしょう。
下記の素材・道具の説明でも、スタイロに触れていますので、あわせて、ご確認頂けますと幸いです。
鉄道模型ジオラマ制作に向いている素材・道具などのご紹介【初心者向け】
必要な道具・素材
上記で、スタイロが必要とご紹介いたしましたが、改めて、必要な素材や道具類をリストアップしてみます。
・スタイロフォーム
・カッター大
・カッター小
・紙粘土
・木工ボンド
・塗料 カラージェッソ A668 グレイ V-5
・塗料 カラージェッソ A669 グレイ V-7
・塗装の筆 (大・小)
カッターは、大きいのと、小さいのと2種類を使い分けましょう。
カッターの「刃」は、特専黒刃が断然、オススメです。
切れ味が全然違います。
よく切れると言う事は、それだけ、うまく作ることができます。
山を作る段階に至っては、すでに、木工ボンドは、お持ちだと存じますので、そのボンドで良いです。
紙粘土も、100円ショップので大丈夫です。
紙粘土は「軽量タイプ」があれば、軽量紙粘土のほうが良く、スタイロと、スタイロを貼り合わせて、できた「隙間」を埋めたり、穴ができた箇所を埋めたりするのに使います。
岩肌と言っても、単純に1色であると言う事は、あり得ませんので、塗装は、最低、2色を使えると良いです。
ただ、大量に塗料を消費しますので、タミヤカラーなどの小瓶では、コストがかかりすぎますので、カラージェッソがお勧めです。
例えば、下記のような塗料です。
【PR】
なお、塗料カラージェッソのグレイ系は、道路のアスファルト塗装や、堤などのコンクリート塗装としても、使えますので、他の部分でも使用できて、とても便利です。
なだらかな斜面を作る場合には、下記のようなスチロール・カッターがあると便利です。
【PR】
岩肌を作る場合には、上記のスチロールカッターまでは不要です。
岩肌の作り方
まずは、スタイロフォームを使って、山を作ります。
スタイロの大きさ、カット方法などは、作りたい、山の大きさにあわせて、対処願います。
高さは、スタイロを重ね合わせて、接着剤には、ボンドを使いましょう。
ひと晩待つなどして、接着剤が固まったあと、おおまかな、形の整え作業に入ります。
大きいカッターを使って、削って行って、構いません。
もし、スチロールカッターがあれば、使ったほうがラクチンですが、大きなカッターだけでも、大丈夫です。
岩肌の角度ですが、自然にできた、90度垂直の壁と言うのは、日本では、ほとんど存在しませんので、情景でのスペースが許す限り、斜面の角度は、緩やかにできると良いです。
形が仕上がった後、スタイロを貼った「隙間」が明確ですと、情景的には、おかしいため、下記のように紙粘土で埋めます。
紙粘土は、そのままではなく、少し「水」を追加して、粘度を弱めると、すき間に入りやすくなります。
また、紙粘土とスタイロの境い目が目立つ場合には、指に水をつけて、擦ると、薄くなり、境い目がわかりにくくなります。
余った紙粘土は、タッパーなどで密封保存すれば、また、今度、何かに使えます。
そして、紙粘土が乾燥するまで、一晩待ちます。
スポンサーリンク
紙粘土も乾燥したら、小さいカッターの刃を「少しだけ」(5mm程度) 出して、岩肌を造成します。
だいたい、岩が露出しますと、地層などが現れていて、斜めに、線が入っているように、見えたりします。
そのため、小さいカッターで、横方向に、ザクザクッと切り込んでは、V字に掘るようにして、溝を適当に作ります。
同様に、縦方向にも、切り込んでいくと、柱状節理に近いような、風化した岩肌が露出しているような風景にできます。
切り込み時に、残っているスタイロの破片は、取り除いてください。
また、ところどころ、少し穴があるような状態にしても良いですと、人が立てるくらいのスペースを作っても良いでしょう。
一番良いのは、お手本にする岩肌の写真を見ながら作るとベストです。
やはり、本物の写真を見ながら、ジオラマを作ると、より、本物に近い状態になります。
私も、そうなのですが、自分の頭の中で想像した状態だけで、ジオラマを作ると、イマイチになりやすいです。
カッターでの造形が完了したら、次は「塗装」です。
塗装は、溝の奥まで入るように、染み込ませるような感覚で、小さな筆も、使って、スタイロの青が見えないように、注意深く、塗装して行きたいところです。
塗装する際には、ズボンや、袖など、汚しますので、捨てても良い服で作業できると良いです。
まずは、色が黒い塗料から先に全体塗装して、そのあと、明るめの塗料で、ボカシであったり、迷彩色を自然に出すような感じで、色を使って行けると良いでしょう。
日本の情景の場合、意外と「暗め」なので、塗装などは、全体的に「暗め」を心がけると、より自然な感じになります。
なお、標高4000mなどの標高でない限り、100%岩肌だけという、山の斜面は、あり得ませんので、ところどころ、傾斜が弱いところには、必ず、緑などのアクセントを加えましょう。
よければ、下記も、あわせて、ご参照賜りますと幸いです。
・鉄道模型ジオラマの「山」を作る(2)スタイロフォーム造成【Nゲージ敷設工事35】
・岩肌を作って色を塗る【Nゲージ敷設工事36】
・カーブのトンネル・直線のトンネル「簡単素材」ご紹介
・KATOプラスタークロスで山肌を簡単に作る方法
・背景シート「無料配布あり」ジオラマやNゲージ鉄道模型レイアウト用
・鉄道模型ジオラマ製作「ノウハウ情報一覧目次」
コメント