南阿蘇鉄道「トロッコ列車」の雄姿を忘れない 災害復旧工事開始 2023年夏復旧

南阿蘇鉄道 トロッコ列車

南阿蘇鉄道

南阿蘇鉄道(みなみあそ-てつどう)は、熊本県の阿蘇山の南側を走るる第三セクター方式の鉄道会社です。
1986年に、国鉄・高森線を引き継いで、豊肥本線と接続する立野駅から高森駅まで17.7km、10駅の南阿蘇鉄道・高森線となりました。
最高速度は65km/hの全線単線・全線非電化となります。
風光明媚な南阿蘇を横切る鉄道で、立野駅と長陽駅の間にある立野橋梁は、長さ136.8mと、日本最長の鉄道用トレッスル橋としても知られます。


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開業当初より、窓が無く展望も効く「トロッコ列車」ゆうすげ号の観光運転が人気でした。
しかし、2016年4月16日、熊本地震が発生し、線路やトンネルなどが甚大な被害となり、約3ヶ月にわたり全線運休となりました。
この時は、立野駅から阿蘇駅に繋がるJR九州の豊肥本線も大規模ながけ崩れにより、阿蘇大橋が落下し、国道57号も寸断されました。
ちなみに、JR豊肥本線は、2020年度内(2021年3月)までの運転再開を目指して復旧工事が進められています。
国道57号に関しては、立野方面を通行しない「北側復旧ルート」のバイパス工事が急ピッチで進められており、2021年度内(2022年3月)までの開通を目指しています。
また、国道325号の阿蘇大橋も、元にあった場所から南側に長さ345mの新・阿蘇大橋の建設が行われていて、同じく2021年度内(2022年3月)までに通行できるようになる見込みです。

南阿蘇鉄道は、被害を受けていなかった中松駅から高森駅間だけ、運転再開にこぎつけましたが、その区間は僅か7.2km、乗車時間にして約15分、運賃290円くらいの部分復旧となりました。
JR豊肥本線にて熊本駅へ出れる立野方面10.6㎞は、2019年に入って、ようやく復旧に向けた災害復旧工事が開始されたところです。
復旧の総工費は65億円~70億円で、国が97.5%を負担し、残りの2.5%は自治体負担です。
当初は、2021年度内(2022年3月)頃?の全線復旧を目指しているようです。
その後、やはり復旧工事に時間がかかるようで、2023年夏頃に全線再開する見込みと発表がありました。
そのため、南阿蘇鉄道は、もともと赤字だったところに、ほとんど乗客も発生しない、中松駅~高森駅だけの運行となっています。
運転本数は、僅かに1日3本です。
このようにずっと赤字路線であるところに、国家予算を投入するため、復旧後は「上下分離式」にて運転再開されることが条件となっています。

<追記> 2023年7月15日、南阿蘇鉄道は7年3カ月ぶりに全線(17・7キロ)で運行再開。


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南阿蘇鉄道のトロッコ鉄道は、夏休みや土日祝を中心にした運行です。
執筆時点の運賃になりますが、高森~中松の片道利用は大人800円、小人460円。
往復料金(高森~中松)は、大人1400円、小人810円で、全車座席指定となります。
現在、事前予約はできず、当日の朝10時から、高森駅の窓口にて先着発売となります。
まぁ、そんなに混雑することは無さそうです。

なお、平日の運転でも、車両は「トロッコ列車」が使われることがありますが、その場合には、運賃だけで乗車できて、自由席となります。
今回、高千穂から熊本にレンタカーで帰る途中、昼に運転がある普通列車がトロッコかな?と、狙ってみましたが、高森駅の出発時間にあいにく20分ほど間に合いませんでした。
そのため、途中の白川水源近くにて、中松から高松に戻るトロッコ列車を待って、下記の動画を撮影させて頂きました。

ゆっくり、ゆっくりでも、苦難をもろともせず、着実に前へと進む姿に、元気を頂いたような気が致します。

2019年秋の公開映画・実写版「エンジェルサイン」(主演:松下奈緒さん、監督:北条司さん)でも、南阿蘇鉄道(南鉄)が舞台となっています。
今度こそ、阿蘇に行った際には、うまく時間を合わせるぞと誓いつつ、早く全線復旧し、阿蘇の皆様が昔の日常に戻ることを願うばかりです。
下記の復興支援プロジェクトにも些少ではありますがご寄付させて頂きました。

平成28年熊本地震 南阿蘇鉄道復旧支援プロジェクト
阿蘇神社~神話の2300年前から存在する阿蘇山の守り神
CM撮影も行われた透き通る自然水の南阿蘇湧水ベスト3
阿蘇山のドライブスポット景観ベスト5
黒部トロッコ列車 黒薙駅・鐘釣駅 各駅下車や予約方法
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