三岐鉄道・北勢線【ナローゲージの鉄道】軽便電車モニ226号

軽便電車モニ226号

三岐鉄道・北勢線

三岐鉄道(さんぎてつどう)は、三重県北部で三岐線と北勢線の運行を行っている鉄道会社です。

三岐鉄道は鈴鹿山脈にある標高1441mの藤原岳(ふじわらだけ)では石灰石が取れることからセメント原料を輸送するために敷かれた貨物鉄道として1928年(昭和3年) に員弁鉄道として発足しました。
それが現在の三岐線である富田駅~西藤原駅(26.5km)になり、三岐鉄道の筆頭株主は太平洋セメント・藤原鉱山となります。
最初の計画では三重県から関ケ原(岐阜)まで線路を伸ばす予定だったため、会社名は三岐鉄道となっています。
今回は、もうひとつある三岐鉄道・北勢線に触れてみます。


スポンサーリンク



三岐鉄道・北勢線(ほくせいせん)は西桑名駅から三重県いなべ市の阿下喜駅(あげきえき)を結ぶ20.4kmの単線で13駅、日本最長のナローゲージと言えます。
最高速度は45km/h。
執筆時点でIC乗車カード対応区間はありません。
開業時は北勢鉄道が運営していましたが、昭和50年から近畿日本鉄道の路線となったあと北勢線の廃線が決定。
そのため、地元沿線市町は近隣の三岐鉄道に対して北勢線の運営を依頼し、2003年(平成15年)から三岐鉄道に移管されました。
ただし、沿線市町は補助金は出しても鉄道設備の所有・維持管理までは行わないので「上下分離方式」には当たりません。
しかし、リニューアルされて列車のスピードUPによる時間短縮や、駅前ロータリー整備などが図られています。
要するに四日市あすなろう鉄道と同様で、各駅前の整備(キスアンドライドやロータリーなど)など行政の対応が遅れていたようですが、最近では少し行っている印象です。
それらが効してか少しずつですが輸送量は伸びているとの事。
また、将来的には70km/hへの高速化も視野に入れて車両の改良とATSなどが整備されているようです。
執筆時点で走行中の揺れが大きいため、地上側の軌道強化のと信号設備が未対応の模様。

北勢線最小の曲線半径はR80m(楚原駅~麻生田駅間)。
ちなみにこれをNゲージ(1/160世界基準)に換算しますとR500mmといったところです。
<参考> 京急・大師線の港町付近ではR90m。
また一部のポイントではスプリングポイント(発条転轍機)が採用されています。


スポンサーリンク



なお、北勢線の車両は軽便時代を思わせるようにちょっと特殊と申しましょうか?面白い特徴があります。

まず、車両の長さは15mが標準タイプです。
ちなみにJR山手線などの車両は約20m級車両となっていますので約75%の長さと言えます。
ただし、日本国内の762mm軌間(特殊狭軌)用として15mは最長のロング車両となります。
でも中間車と桑名側の車両は長さ11mであり、車両の長さが「不規則」なのが北勢線です。
270系電車(15m)が阿下喜に繋がっており、下記の動画でも、左から15m + 11m + 11m(動画では先頭側)と言う編成になっています。

ちなみに四日市あすなろう鉄道は中間車が11m級で前後は15m級です。

三岐鉄道・北勢線の沿線には「ねじり橋」(日本の近代土木遺産)「めがね橋」と言った撮影スポットもあります。
ただし、当然と言えば当然なのですが、撮影スポットは整備されていないので「ねじり橋」「めがね橋」も駐車場や駅から行く案内などができると良いなと感じました。

軽便電車モニ226号

終点の阿下喜駅の隣には、いなべ市の「軽便鉄道博物館」があり、阿下喜駅の無料駐車場が利用できます。

執筆時点での開園日は、第1日曜・第3日曜の月2回のみ(1月のみ第2・3日曜)です。(朝10時~16時)
軽便鉄道博物館(いなべまちかど博物館)には、昭和6年製の軽便電車モニ226号(北勢鉄道モハニ50形電車)が静態提示されており、とてもコンパクトな転車台(ターンテーブル)も移築現存しているようです。

北勢鉄道モハニ50形電車

これらは毎日見学できるようですが、転車台の周りを子供が乗る小さなミニ鉄道「ホクさん」(無料・15インチ/381mm鉄道)に気を取られ、転車台とは気が付きませんでした。

ミニ鉄道「ホクさん」

軽便電車モニ226号は、昭和9年(1931年)製造の北勢鉄道モハニ50形電車で、車体長11 m級の半鋼製です。

北勢鉄道モハニ50形電車

旅客・荷物合造電車で三重交通になった際にはモニ221形モニ226と改番されていました。

黒部トロッコ列車 黒薙駅・鐘釣駅 各駅下車して効率よく楽しむ予約方法【鉄道ファン・温泉好き向け】
赤沢森林鉄道で25分間の森林鉄道観光乗車する方法【木曽】赤沢自然休養林・森林鉄道記念館

報告する
スポンサーリンク
スポンサーリンク

関連記事一覧

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。